トラブルシューター シェリフスターズ
  バストライナー



 人が光の速度を超えて幾年月。
 難しい名前で呼ばれた転移航法も今では聞きなれた“ワープ”と呼ばれるようになった頃。
 人間は様々な星を地球人が住める環境に改造し、移住を開始した。
 この物語はそんな中で起こった、事件の一幕である、



   <1>



 囲まれていた。一人の少女と一人の男。そしてもう一人は長髪で少女とおそろいのどこかの制服を着込んだ女性。
 対峙するは十数人から組織されたであろうサイボーグの団体。
 その一人一人に銃が持たれ、その前には燕尾服を着た“今日びこんな奴いねぇよ!”な男だった。

「ミス・レティシア。クロフトの子飼い、シェリフスター・カンパニー所属のエージェント。よくもまぁそんな小汚い者の護衛など受ける気になりましたね」

 男が言う言葉に、レティシアと呼ばれた女性は冷たく答える。

「あいにく依頼を受けるのは上のやることで、あたし達はそれをこなすだけ。誰が正しいかってのは二の次なのよ」

 危機的状況にもかかわらずその口調は落ち着いている。
 彼女達はシェリフスター・カンパニー所属のエージェント。現在社を上げた無料キャンペーンで、惑星ザラスのとある会社の要人を護衛している所である。
 この男が何をしたのかは知る由も無いが、どうやら相手が厄介な連中であることはこれで確証がいった。なにせ、客で混雑する巨大デパートの真ん中で襲い掛 かってくるような連中だ。

「まぁ、いいでしょう。あなたは使えそうだ。それからそちらのお嬢さん。先ほどから見ていれば、例のアレと言った所でしょうか?」

 メニィのほうを見て言う男。
 レティシアの眉が動いた。それを見て男は、

「裏の事については私も興味がありましてね……」

 皮肉気にそう言った。

「さて、そろそろ厄介者には消えて頂く事としましょう」

 男が腕を上げる。レティシアの顔に悔恨の表情。
 そして、銃弾の雨が降った。





 時間は戻ってここは何も無い空間。あらゆる事象が動きを止め、ただあるのは地平線のごとき天と地を分ける境界線のみ。

「さて、お次の旅は〜〜」

 戻ってきたばかりのアイリスがもうそんな声を上げていた。

「はぁ……いいわよねぇ。最後楽してた子は」

 サリナは疲れた表情でそう言った。

『まぁ、お二人ともお早いおつきで』

 そういって声をかけたのはこの世界の主だか案内人だか最近微妙な自称『天使』である。

『早速次に行かれますか?』
「行きますか」
「行きたくないけど……ね」
『その心意気はいいですね。では、行ってらっしゃいませ』

 その瞬間、あたりのすべてが姿を変える。白い空間から何かの建物へと。ふと、下を見ればかなり高い場所にいる。
 見渡せば、何かのビルの中の様だ。

「やれやれ。こんどはどんな世界かしら」
「まぁ、どっちにしても何かを探さないといけないのよね……」

 そして、人々のざわめきまでもが出現し、サリナ達の体には浮遊感が生まれた。

『え……??』

 服がはためき、体が落下し始めた。

「冗談でしょ〜〜〜!!!」
「これは無しでしょ〜〜!!」

 2人の悲鳴と共に体は一直線に落下していく。
 しかし、超高層ビルの吹き抜けはスカイダイビングもできるほどに高かったことが幸いした。
 落下するサリナたちを見て悲鳴を上げるギャラリーを尻目に、2人は腰からワイヤーガン、腕からワイヤーハーケンを出すと、向かい合った壁に向かって打ち 込んだ。
 見たところここは科学が発展した世界。そんな場所で魔法はなるべく使いたくないから、という選択だった。
 壁をがっちりと捉えたワイヤーを頼りに、無事に壁に足をつける二人。

「もう〜〜〜、あの阿呆はいつになく妙な真似を……」

 ワイヤーでぶら下がりつつ、サリナはぼやく。ふと、向こうを見るとアイリスがこっちに向かって手を振っている。手を振り返し、手近な通路に入ろうとした 時、遠い爆発音が響いてきた。

「!?」

 見下ろせば、薄っすらと見える煙。下だ!
 アイリスも気づいたようで、指で行こうと言っている。頷き、二人はそれぞれのワイヤーを腰に固定した。リールを開放し、一気に壁を“駆け下りていく”!
 やがて、最下層が見えてくる。直後、三人が数人の集団に追われて来た。三人のうち一人は武装している。しかし、追っている方を見た時サリナはその連中に 違和感を覚えた。おかしい。人が持つ気の流れというか、存在感というか、そういうものがそいつ等には感じられない。これは……、

「サイボーグか、アンドロイドか……」

 腰の後からイングラムを引き抜き、下に向けて構える。アイリスも同様にしてM4アサルトライフルを構えた。今いるのは三階部分。リールを固定して壁に立 つ。狙うには距離があるが、手に馴染む銃はサリナ達が己の力で作った謹製の物。それぞれが非常識なまでの命中性能を誇る。まぁそういうわけで、リーダーら しき燕尾服の馬鹿が手を上げたと同時に二人は弾丸を無数にばら撒いた。







 無数の弾丸が、並び立つサイボーグ達の武装を、体を嫌というほどに打ち据える。撃ってくるのは上!?
 レティシアは上を見上げた。そして目を見張る。三階部分の壁に女が二人立っている。その二人が持った銃から放たれる銃弾がサイボーグたちを滅多打ちにし ているのだ。

「上だ!撃ち殺せ!!」

 燕尾服が声を上げた。サイボーグ達も上を見てその銃を跳ね上げる。それを見るや彼女達も動いた。体を一転させてワイヤーを切り離し、壁を蹴り駆け下りて くる!?そして、二階部分で壁を派手に蹴りそのまま突っ込んでくる!

「――!!?」

 ドゴォォォォン!!

 ほとんど同時に二人はサイボーグを巻き込んで落下してきた。その衝撃は強烈で床が陥没し、土煙があたりに充満するほど。これでは生きていられるはずがな い。いや……!

 ドゴッ!ドガンッ……!!

 鈍い音が土煙も消えないうちに響いてくる。これは一体!?

「こっちへ!」

 いきなり女性の声がして、あたしの腕をさらう。そしていきなり跳躍した!

「なっ!?」

 彼女は私をかついで二階へと飛び上がったのだ。着地すると同時にあたしはその人物を見やる。青い髪の年半端も行かない少女だった。

「あなたは……」
「話は後よ!」

 言ってまた手すりを蹴って下へと飛び降りた。慌てて階下を覗き見れば、そこは信じられない状態になっていた。
 もう一人、黒コートを着た少女が手に棒状のものを持って構えている。そしてそのそばにはサイボーグ二人が倒れている。その周囲をこれまたサイボーグ数人 が囲んでいるが、その手に銃はない。見れば銃だったものが無残に破壊されて転がっていた。

「なんなの……!?」

 もはやこんな事しか言えない。
 サイボーグが動いた。四方から少女に向かって徒手空拳で向かっていく。それに対して少女も自分から正面のサイボーグに立ち向かう。振り上げられる拳を紙 一重で避けると棒を跳ね上げる。

 ぼぐぅっ!

 鈍い音がここまで響いてきた。一体どれほどの威力なのか、100キロを越すサイボーグの体が跳ね飛ぶくらいだから相当な衝撃だろう。
 正面をはね飛ばすと今度は器用に棒を振り回し、そのままの勢いで横の一人に足払いをかけた。もんどりうって倒れるサイボーグ。その脳天にさらに一撃を加 える。直後、一瞬でもう一体と差を縮めると、回し蹴りを食らわせる。速い! そして、回し蹴りの反動を使って後ろへ飛び、他の奴と距離を取った。止まった と思ったら一瞬で上体をそらせた。その直前をレーザーの光が行き過ぎる。燕尾服だ。
 持っていたレーザーガンで狙ったようだ。でも、レーザーに気づいた? とにかくレーザーをかわされて燕尾服も動揺する。その次の瞬間、射撃音と共にその 銃が跳ね飛んだ。さっき助けられた少女が、そのレーザーガンを持っていた銃で撃ったのだ。

「雑魚はまかせる!」

 少女はそう言って、燕尾服に肉薄していった。敵わないと悟ったか燕尾服は踵を返した。少女も銃を乱射しけん制するが、お構いなく逃げ出す燕尾服。なん と、少女と同様に異様な跳躍で二階へと飛び上がった。無論少女もそれを追って二階へ。呆然とそれを見送ったあたしだが、

 ドンドンドンドン……!!!

 連続した鈍い打撃音で我に返る。視線を戻せば、コート姿の周囲で残ったサイボーグ全員がのびていた。

「………………」

 もはや声など出ようはずがない。彼女達は何なのだ!? サイボーグ? ジーンバイオウェポン?
 あたしの妄想などお構い無しに、少女は懐から出した紐のような物で全員を縛り上げた。
 手をパンパン叩きながらこちらを見上げた。まさか……、
 そして、予想通りその少女も地を蹴ってここへと飛び上がってきた。

「や。大丈夫だったようね」

 言ってにこやかに近付いてくるその少女に反射的に持っていた銃を跳ね上げた。しかし、

「空の銃向けられても迫力無いわよ?」

 そう、アタシの銃はさっきまでで全弾を撃ち尽くしている。あたしは力なく銃を下ろした。

「あなた達は……一体」
「通りすがりよ。ただのね」

 肩をすくめる少女に声も出ないでいると、

「レティーー!」

 メニィの声が聞こえてきた。見れば、さっき燕尾服を追っていった少女と一緒に歩いてくる。

「ごめん。逃げられた」

 少女はそう言った。

「ま、いいんじゃないの?」

 答えるポニーテールの少女。

 しかし、この二人は一体何者なのだろうか。人智を超えた戦闘力を備えた人間。そう、まるで、

「あなた達、もしかしてどっかの会社の?」

 ホルスターに銃をしまい、あたしは問う。

「会社?違うわよ。
 ……それを言うなら、貴女の方こそ会社の人間じゃないの?」

「……え?」

 彼女はアタシの耳元に顔を近づけ、

「神の真似事なんかしていつか天罰が下るわよ」
「!?」

 離れた彼女の瞳には怒りのような視線が宿っている。
 まさか、メニィが人造人間だという事を知っている!?

「ま、ここでその話をしても何も出ないでしょうし。
 そう言えば、名乗ってなかったわね。あたしは、サリナ、サリナ=ハイランドよ。んで、そっちがアイリス」

「アイリス=スチュワート。長くないでしょうけどよろしく」

 一応握手をする。そして、警備員がやってきたのを見ると、さっさとどこかへ行ってしまった。





 地元警察が来て事後処理をしている最中、アタシはずっと彼女達の事を考えていた。
 いきなりやってきて義理も無いあたし達を助けた。そして、尋常じゃない戦闘能力。
 さらには、メニィを会社の人造人間だと言い当てた。
 彼女達は何者?なぜここに来た?
 そんな考えばかりが頭の中をよぎる。
 と、

「君。いつになったら出発するつもりかね?」

 護衛されている男が、疲れ果てた表情でそう言った。

「警察が事後処理を終えてからよ。こっちにも見届ける責任があるんですからね」
「そんなことを言っていては、なおさら状況が悪くなるような気がするが」

 確かに。ここで足止めを食っていてはどうにも状況が悪くなる。奴らも新たな手ごまを用意するだろうし、こちらも宇宙港まではリニアレールを使って、まだ まだの道のりなのである。
 結局、その後事後処理が終わったのは二時間後のことだった。






   <2>


 その夜。と、言ったところで人口の夜空では風情の欠片もあるまい。
 結局サリナ達はあの連中との喧嘩の後、何をするでもなく町をうろついていたのだが、ここがどうも宇宙時代らしいということで、リニアレールとやらに乗っ て宇宙港までやって来ていた。
 通貨だが……、まぁ宝石だけはどこの世界でも共通、とだけ言っておこう。
 膨れた懐と共に、宇宙港で色々と宇宙船などを見物していたのだが、どう見ても観光とはいえない服装の連中や、挙動不審の奴が目立つ。あまり治安がいい星 とはいえないのだろうか。新聞など見てもなにやら物騒な事件が目立っていたし。ターミナル内の食堂で食事を済ませてからさてどうするかと言うところで、な にやら見た顔に出会った。

「レティシアさーん!」

 サリナは声をかけた。彼女がドキッとして振り向く。

「何を驚いているの」

 言いながらあたし達は近づく。

「また会ったわね」
「またって……、こっちとしては会いたくなかったんですけどね」

 心底迷惑そうな顔でそういった。
 まぁ、レティシアとしては身元を知るような人たちにはあまり出くわしたくない現状だろうが。

「つれないわねぇ。さっき助けてあげたのに」
「それに対しては礼を言っておくわ。でも、何にもでないわよ」
「別にお金には困ってないからご心配なく」

 言って懐を叩くアイリス。
 ため息を一つついてレティシアは、

「ところで、あなた達ってホントにどこの会社にも属してないのね?」
「……またその話?」
「現状よ。お礼状出すにもどこの誰かとも分からない人に渡せるわけ無いでしょ?」

 本心としては、二人の身元を調べる手がかりにしたいらしい。

「別にあたし達はどこの会社にも属してないわよ。軍にもね」
「……じゃ、あの非常識な能力は何?」
「乙女の秘密と言うことで」

 軽く言い放つサリナ。一瞬言葉が詰まるレティシアだが、何か言おうとしたとき、

「あぁ!やっと見つけた」

 後方から何やら大柄な人と小柄な人がやってくる。いや、小柄な人とてそんなではない。ただ目に見えて大柄な人がデカイせいで小さく見えている。

「あぁ!部下その1!!」

 メニィがその人をさして言う。

 ズザァァァ!!

 といきなりここまでコケて滑ってくる。

「スティッキーーーーーです!!」

 悲痛な表情で泣きながら訴える男。
 そして、

「こちらの方は?」

 後からやってきた大柄な人がそう聞く。

「えぇ、ちょっと襲われたところを助けてもらったのよ」

 会釈をするあたし達。

「それで、あなたは?」

 アイリスの問いに、

「部下そのに2〜〜!」
「トゥーラです」

 こちらはさすがに叫ばなかったが心外と言った表情である。どうやら2人とも相当コンプレックスがあるらしい。

「それはそうと、何であなた達が?」

 レティシアが問うと、

「えぇ、姐さんもこちらに寄る用ができたので、どうせなら同行したほうがいいって言うので」
「あら、珍しいじゃない。どうして?」
「本社から直々にクィーンに建造して欲しいものがあると、要請があったものですから」
「姐さん?クィーン?」

 さすがにあたしは不思議に思って声を出した。

「うちの整備担当の主任よ。ちょっとした“趣味人”だけどね」
「趣味人?」

 結局会えば分かると、その後あたし達は彼女達について行った。




 そして、

「おーっほほほほほほ!!よく来たわね!レティシア」

 シェリフスター・カンパニー、整備課所属の船、“ライトニングアロー”内のブリッジ。アタシはその金髪で玉座のような艦長席に座る女性に問答無用で銃を 向けた。

「やめんかボケぇぇぇぇ!」

 その瞬間に後部に鈍痛が走ってぷち倒される。いきなりのことに唖然となる一同だが、

「あははは、気にしないでください」

 軽い声でアイリスが流した。

「……まぁ、いいけど。誰?彼女達」

 レティシアに聞くクィーンと名乗る女性。経緯を話しあたしたちはクィーンに紹介され、あたし達も自己紹介を返す。と、

「え!? あなた達がサリナとアイリス!?」
『は?』

 復活したあたしとアイリスは思わず声を返した。

「知ってるの?」
「いえ、よくは知らないけど、うちが請け負った物の受取人がサリナとアイリスって人だったような。部下その二!」

 レティシアが聞き、クィーンが確認を取る。
 部下二と呼ばれたトゥーラが何やらファイルを検索し、

「間違いありません」

 そう返し、

「サリナ=ハイランド様と、アイリス=スチュワート様になっています」

 そう補足する。

「またあいつか……」
「……かもね」

 あたし達のつぶやきには気づかずに二人は、

「頼まれたものって?」
「戦闘艇よ」
「戦闘艇?なんでまた」
「知らないわ。いきなり設計図と品物が送られてきて、この通りに作れと来たんだもの。
 でも、……設計図を見て驚いたわ」

 言って、手元のコンソールを操り、何かの図面を示す。

「誰が書いたかは知らないけど、見事なまでに洗練されたフォルムと航行性を持ってる。あたしがついでに着けようと考えた潜行能力まで元からついてるくらい だもの」
「……あ、そ」

 趣味人のあだ名の通り、何かにつけて改造やら無駄な物を着けようとする癖が彼女にはあるらしい。腕のほうは一級のようだが、

「武器の指定まで来たわ。ブラスターカノン二門、ビームガトリング砲二門、ミサイルポッド八基、どれも最新式の奴をね」
「……そんな武装させて戦争でも始めさせる気?」

 ちらっと二人を振り返るレティシア。

「さぁ。それからもう一つ、超高性能ブースターを搭載しろですって。単体離脱ができるように。それから、装甲も大気圏降下ができるように強力な資材が届い たの。んなふうに作ってもジェネレータが載らない、と思ったらこれがびっくり、先方からジェネレータが届いた」
「どんな?」
「驚いたわ。今までに見たこともないシロモノよ。超小型なんだけど、出力が全然でないの。ブラスター分の出力も出ないほどのね」
「欠陥品じゃない」
「欠陥品みたいなんだけど、そうでもないのよ。ジェネレータの中枢から初期動作に発せられるエネルギーは今までのものよりはるかに高いの。ただ、持続しな いだけ。それに燃料も食わない」
「てことは、その出力を維持できたら……」
「間違いなく化け物になるわ。超高速での突入と離脱、高出力兵器で自由に飛び回り、戦艦でも優に落とすほどの能力を持った、ね。
 ただ……」
「ただ?」
「それに耐えうるスーツの発注が来なかったのよ。大気圏離脱だけで4G以上の圧力に耐えるだけのね」
「んで、結局どうしたの?」
「一応作ったけど、アレあたしの趣味にはちょっと合わないのよねぇ」

 趣味人としてのプライドだろうか。やたら細かいことにこだわっている。

「今見直しても、これ本体は芸術品よ。余るスペースがまったくない。書いた人はあたし以上の腕ね」

 設計図を真剣な表情で見つめるクィーン。 

「他にもいくつか部品が来たけど、同じ規格のものだったからあまり言う事も無いわ」
「そう」
「さて……」

 言ってクィーンは一つの書面を持ってサリナ達の所へ、

「これにサインして」
「サイン?はいはい」

 書面にざっと目を通すサリナ。受取証らしい。二人のサインをしてから、クィーンは格納庫へと皆を案内しだした。







『わお』

 思わず全員の口から同じ声が漏れた。

「どう?ちょっとしたもんでしょ」

 格納庫内には純白に輝く、二機の戦闘機があった。
 長い涙滴型の本体にギターのピックのようなものを縦にした推進ブースターとブラスターカノン。確かに流線型に見るその格好だけで、相当の戦闘力があるこ とはサリナたちにも分かった。全
 長は今でのF16より少し長いくらいだ。確かに、こんなものに重装備を積んだら後が乗らないのも分かる。

「ま、美しいだけのガラクタね」

 ……おいおい。

「こんなものを作らせてうちの連中も何を考えてるのかしら……」

 何やらぶつくさ言い始めたクィーンを尻目に二機に近づくサリナ達。
 タラップを上り、操縦席を覗き込むサリナ達。

「新しい機体っていいわねぇ、やっぱ中が綺麗だから」
「ほんと、ほんと」

 向かい合わせになった機体のコクピット。その席にはビニールシートが掛けられている。そのシートを取り払い、真新しい感触を受けつつ、二人は座席に座 る。

「マニュアルは一応座席の下よ!」

 クィーンが声を掛ける。そう言う間にもサリナ達の頭の中には様々な情報が流れ込んでくる。

「そんじゃ、始動と」

 いまどき珍しいスイッチ式の目立つコンソール。これも趣味のうちだろうか。マニュアルに挟んであったIDキーを差込むと、低い音共にコンソールに明かり が灯る。

「……さてと♪」

 そんな時、

「動くの?これ」

 レティシアは最もな質問をクィーンにしていた。

「試験的に出力の低い小型のジェネで試したけど、保障はするわ。旋回性、加速性、索敵性、どれを取ってもあたしの作品より上を行ってる。悔しい限りよ。で も肝心のジェネがガラクタじゃ……、!?」

 言い終わろうとしたとき、低いモーター音が響いてきた。レティシアも視線を戻したとき、

 ゴアゥ……!!

 ブースターの強烈な音が響いた。キィィィンと高い音が響いてくる。

「ウソ……」

 あまりのことに信じられないクィーン。しかし、その音はすぐに消えた。そうだろう、試験のときは起動さえしなかったのだから。

「なかなかイケてるじゃない!」

 身を乗り出してそう言うアイリス。

「あ、あんた今どうやったの!」
「通常通り起動しただけだけど、すぐ切ったわよ」

 サリナも身を乗り出して言った。

「どういう機体なのよ。これ……」

 理解を超えた機体に彼女の技術者としての目が光るが、今乗り手が降りた新しいそれはただ黙するだけである。


  ―To be continued―

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 あとがき的なもの

 遅れまして申し訳ありませんみたいな〜(死)
 まぁ、最近になってもう書くのが遅い遅い。何かにつけてネトゲに行ってしまう。……自分の責任ですがね。
 と、いうわけでここにシェリフスターズの一作品目を載せます。さて、この先どうなるのか。まだ考えていません。(爆)
 作者のわがままと共によろしく〜〜!!
 でわ、これにて。


 改訂後のあとがき的なもの

 何つーか、過去の自分の文章の稚拙さに赤面します。
 擬音の数とか長さとか。後、行間の取り方とか。
 しかも、4年越しの手直しって一体どこの作者がやるだろうかww←これも当時は使ってなかった。


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2002/08/25 完成
2006/06/21 改訂